映画 そして父になる の感想
出来事 - 2015年02月08日 (日)
脚本の余白が話題作りになる
映画 「そして父になる」 を鑑賞して感じたこと の続きです
昨日 地上波放送されたので
ネタバレを含んだ感想です


登場人物の配役名は一切憶えていません
だから俳優名で書くことにします
福山雅治は福山、リリー・フランキーはリリー
その他は妻とか子という続柄で書いています
ストーリーと補足
この映画のタイトルは「そして父になる」
福山が父親になっていくという意味なんでしょう
リリー家の子の血液型検査で
両親の血液型と一致しないことが発端です
検査の結果、取り違えの事実が確定します
それから家族同士での付き合いが始まります
福山の上司が不思議なアドバイスをします
「両方とも引き取っちゃえよ」
福山は あっさりその話に乗り
弁護士にその戦略を打ち明けますが
弁護士はその無茶なストーリーに呆れます
相手が納得しないだろうと
上司は本当にそのとおりに行動する福山を見て
こいつはダメだなと思ったように感じます
結果的に福山は左遷のような扱いを受けてしまいます
お金の話ばかりをするリリーに向かって
福山が唐突にぶち上げます
「ふたりともこっちに譲ってくれませんか」
「お金なら まとまった額を用意できます」
リリーは福山の頭をポンと軽く叩きます
その後 険悪な関係になると思いきや
なぜか、そういう展開にはなりません
ここも不思議です、普通はあり得ません
なぜか福山もすんなり引き下がります
子供との血の繋がりを重視する福山と
過ごした時間を重視するリリー
価値観の全く異なる両者です
まるで相容れないと思いきや 子供の交換をします
葛藤や話のくだりは、ほとんど描かれていません
案の上、福山の実の子は福山に懐かず
リリー家にひとりで戻ってしまいます
最後のシーン
福山は育てた子に向かって、こう言います
「もうミッションは終わりだ」
そしてリリー家に2人で戻って、話が終わります
結論は描かれていないですが
以前の状態に戻るのだろうと予測できます
感想
リリー家は信じられないくらい従順な設定です
果たして これくらい従順な人が世の中にいるか
そこに大いなる違和感を感じました
病院や福山の言う「子の交換」という提案に乗ります
失敗することがわかっていただろうはずなのに
子供の交換にもあっさり応じています
ストーリー上に葛藤の様子は一切ありません
「もうミッションは終わりだ」
福山が勝手に育ての子に向かって言い放った言葉です
リリー家や福山の妻への確認はありません
今まで自分が抱えてきた数多くのミッションが終わりだと
自分で宣誓しているかのようです
実は昨日 もう1度 シーンを観なおして
もしかしたら、こういう設定だったのか
ってことが頭に浮かびました
それはリリーが福山のことを
「何もわかってない気の毒な子供」
と認識していた場合です
子供だったら、多少のわがままは許容されます
殴ったりもしません、頭をポンと軽く叩き
過ちをやさしく諭してあげます、そして許します
・話していることと、本当に考えていること
この間にはそれなりの乖離があること
・自分の思い通りに事態が進まないこと
多数の人が暮らす社会で
ある程度の人生経験を積んでいれば
きっと誰でも知っていることです
消費しないピノキオの場合
子の交換という選択はありえません
一緒に過ごした時間は
それくらい重いと思っているからです
監督がどこまで意識して脚本を書いたのか
私には想像も出来ないことです
観客にそこまでの余白を与えてしまう脚本
賛否が出ることまで期待していたのでしょうか
続編への含み残しなんでしょうか
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